送電線工事と一口に言っても様々な種類があるのですが、
大きく分けると以下4つの分類に分けられます。
①基礎工事
②組立工事
③架線工事
④保守・点検工事
それぞれどんな工事なのかについてですが、
まずは①基礎工事は文字通り鉄塔の基礎部分の工事となり、
普段目にする鉄塔は倒壊防止の為、地盤状況や鉄塔の形状によって様々な基礎形状や、
基礎の深さがあります。
↓まずはこんな感じに掘削を基礎になる箇所を掘り進めます
ただ掘り進めるだけでは土砂が掘削した穴の中で崩壊し、
せっかく掘削した穴が埋まってしまったり、そもそも中で作業する作業員が危険なので、
ライナーという円筒状の輪っかを掘削に合わせて積み重ねていきます。
こうして何mも掘削を進めた後、基礎材という柱状の部材を穴の中に据え付けるのですが、
据え付ける角度、方向を数ミリ誤るだけで鉄塔を組み立てていくと大きなズレとなり、
最悪組み立てられなくなる為、かなり緊張感のある作業となります。
据え付けが完了すると、部材の周囲に鉄筋を組み、コンクリートを流し込む型を取り付け、コンクリートを打ち込んでいきます。
コンクリートを打ち込んだ際にコンクリートの厚みが所定の厚さになる様、距離も測っておきます。
コンクリートを打ち込んでから、固まるまで所定の養生期間を経て、型枠を取り外し、
無事に所定の高さ、形状が確保出来ている事を確認したら完成です。
鉄塔の基礎は4本なので、これを4回繰り返すとようやく1基分の基礎工事が完了となるのですが、
山の中に重機や部材をヘリで搬入したり、部材を置く仮設ステージを組むところから、
実際の基礎工事の作業が完了するだけでもかなりの労力を要します。
普段目にする鉄塔を組み立てるまでにも、こんな作業が行われています。
今度鉄塔を間近で見る機会があれば、是非この鉄塔の地下にも思いを馳せてみてくださいね。
また別の工種にもスポットを当てていきたいと思います。